【追悼】河瀬直美監督『あん』と樹木希林さん

樹木希林さんを偲んで、河瀬直美監督『あん』について再び。

◉河瀬直美監督『あん』公式HP:http://an-movie.com

樹木希林さん最後の主演作となりました河瀬直美監督『あん』。

原作をラジオドラマ化した放送をNHKラジオで以前拝聴していましたので、この作品を観るにあたってより深くまで作品の中に入り込むことが出来ました。

原作を現代を生きる人間の苦悩と、道を踏み外したりドロップアウトしたり、政策によって社会との接点を失ってしまった人々の、それでも尚、前を向いて生きて行こうとする人々を描いた名作です。

河瀬直美監督の人間を視る慈愛の眼差しが大きく作品の本質をも内包し、我々観客をも包み込んで下さってます。

樹木希林さんと言うユニークでこの世の素晴らしさも醜さも、酸いも甘いも見届けてきた存在が、この作品をより大きく深く暖かく包み込んでいらっしゃいます。

喧嘩の仲裁に入ったのに気づいたら加害者になってしまい借金を背負いドロップアウトした永瀬正敏さん。

生きる希望を見出せないでいた女子高生。

そんな二人を温かく見守り、二人を導いて去っていった樹木希林さん。

人の心の痛みや、心の叫びを聞き取り、共鳴し、そっと掬いあげるような慈愛の精神。

あんの気持ちになる。

「あらゆるものの中に命の流れを感じ取る」

生きる事は他者と、万物との交感であり、痛みの共鳴で有り交響することで倍音を奏で、互いに、第三者に、その人に向けて宛てられた宇宙の意思のメッセージを受け渡す。

人知を超えた何かを、言葉を超えた何かを万物は互いに、影響しあい、倍音を奏でながら交感し合っているのだと改めて確信しました。

改めて、樹木希林さんのご冥福をお祈りします。

樹木希林さんが残して下さった多くのメッセージを、次代へと受け渡すために、精進して参ります。

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