高みへと昇華するための代償

radikoのタイムフリーで、第二回『村上Radio』の再放送を拝聴しました。

放送の最後に、村上春樹先生が、スタンゲッツの言葉を引用しつつ、とても大切な事を話して下さっていました。

備忘録として、書きおこしておきます。

 

◉村上Radio公式HP:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

『村上Radio』より〜スタンゲッツの言葉〜

「僕の中には強いバネのようなものがあって、
それが僕を無意識のうちに
パーフェクトな音楽の高みにまで跳ね飛ばしてくれるんだ。

そしてその高みの為に、
僕は人生の他の全てを犠牲にしてきた。」

美しい音楽は素晴らしいものだけど、
その達成の裏には、多くの場合、
崖っぷちでの危うい魂のせめぎ合いがあります。

アレサ・フランクリンの場合もそうだったけど、
音楽を音楽として楽しむと同時に、
僕らはその裏にあるもののことを忘れてはいけない。

 

 

とても素晴らしい言葉で、心の奥底にまで響き渡りました。

何かを志高く、誰も到達し得ない高みにまで昇華しようとするならば、代償として、それ以外のものを犠牲にする覚悟が必要なります。

誓約と制約

ある境地にまで到達する為には、一般の常識を逸脱し、ある種の決意と覚悟と勇気と愛を持って、あらゆる悪意やあらゆる誘惑やあらゆる嘘、あらゆる常識を乗り越えなければならないのだと、改めて確信しました。

高みへと登って行くために、音楽以外の全てを犠牲にしてきたスタンゲッツ先生とアレサ・フランクリン。

様々な道の達人は、孤独を恐れず、誘惑や嘘や偏見や常識に惑わされず、囚われず、思い込みを捨て、揺るぎない強い意志を持って、絶えず己の規範やルールを反証しつつ、「存在とは別の仕方で存在」する「何か」に導かれ、高みへと、ある種の極致へと到達する。

孤独を恐れず、悪を成さず、
求めるところは少なく、
林の中の象のように。(釈迦)

魂の揺るぎなきせめぎ合い。

オートポイエーシス。

バランスを取りながらも、心を失わず、己と妥協する事なく、精進して行くことしか無いのだと、改めて覚悟を決めました。

村上春樹先生の言葉には重みがあり、現場で身銭を切って、身を削って試行錯誤してきた人にしか発することのできないある種の「重み」「深み」があります。

第4回も楽しみです。

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