『攻殻機動隊 stand alone complex』シーズン1、2を観照

auビデオパスで以前一気見していましたが、DVDセットを購入し、ようやく最後までじっくり拝見できました。

フランス語版でしたが、シーズン2はバンダイが入っていて、英語も追加されてました。

シーズン1では毎回、言語を選択し、字幕をオフにしなくてはいけませんでしたが、シーズン2はDVD毎に設定すればいい様にキャッシュに残ってました。

iMac(Mid,2011)の21.5インチ画面一杯に映る映像は迫力満点でした。

iPad Proだと上下が余黒になってしまい残念です。

押井守先生が関わる作品全てに共通するものとして、

「状況を想定し、状況を作り上げる模倣者を創造する媒介者の創造」という思想の一貫性を改めて痛感しました。

攻殻機動隊、劇場版、イノセンス、パトレイバーシリーズ、劇場版どれもが、状況の悪化を作り上げるために、媒介者が因子を発現し、模倣者と創造者が転倒し、倒錯し、状況を悪化させ、その帰結は各々のスタンドプレーの優劣が結果の帰結を左右する。

しかし、最終的に、さらにその背後に潜む、大きな、宇宙の意志のような「何か」によって、事実は意味を失い、忘却の彼方へと彷徨い、歴史は、もっとも都合のいい真実を選び取る。

歴史は繰り返す。

過ちも繰り返す。

永劫回帰。

攻殻機動隊のまとめサイトのリンクと、一部を引用します。

今起きている現状が状況の悪化を作り上げている様が、まさに「現実はフィクションを模倣する」ようです。

◉CMSB「第23話 橋が落ちる日 MARTIAL LAW」:http://ajatt.com/gits/02_gs/04_sac2/23_martial_law.html

水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れる。

洋輔「自分の義務と権利を秤にかけて権利に先に錘を乗せなくば、社会の規則に従いしも自身を失う事無し。」
クゼ「はい。その普遍的な思想がとても口当たりの良い物に感じられました。しかしその難民も、一度ネットを介しヒエラルキーの上層の存在を知ると、その事を忘れ皆低きに流れていってしまう。力を持てばそれを誇示したくなる。武器を持てば一度は使ってみたくなるのと同様に。」
洋輔「それが分かっていて何故事態をここ迄引っ張った?革命等と言う世迷い事が簡単に成就出来ると本気で考えていたのか?」
クゼ「いいえ。俺の考える革命はもう少し先にある。今はその革命のゴールである上部構造に人々を向かわせる為の前段階だと考えています。」
洋輔「上部構造?それはヒエラルキーとは違うのか?」
クゼ「ええ、違います。今この地上を覆い尽くさんとしているネットワークは、既に下部構造と化し本来の目的を終え別儀を創造している。そこからは不可分ながら土台たる下部構造に対し確実に新義ある反作用を及ぼす存在となり上部構造へとシフトする。それが俺の考える革命の定義です。」
洋輔「よくは分からんが、それを難民と共有する事は出来るのかね?」
クゼ「潜在的には共有している筈ですが、具体的にはまだ。」
洋輔「儂も他人への興味から野に下った人間だ。その老いぼれから一言言わせて貰うなら、今は理想より現実を優先するべきだ。お前ならまだこの事態を止められる。」

草薙「クゼ。お前は何故難民のリーダーになった?そもそも、ウイルスによる思想誘導からどうやって抜け出した?」
クゼ「俺は元々難民を解放しようと言う目的があった。その為個別の十一人が発症した訳だが、奴等と行動を共にした時思想の差異に気付いた。ウイルスが分離出来たのもその為だろう。」
草薙「では何故難民の解放を?ユーラシアを彷徨った様だが、それと関係があるのか?」
クゼ「それは・・・直接関係無い。大陸を旅したのは自分の動機を再確認する時間が欲しかっただけだ。俺がイメージする革命、解放を実行する事が出来るのかをな。」
草薙「お前の言う革命とは何だ?」
クゼ「人の、上部構造への移行。硬化したシステムを捨て、人とネットとが融合すると言う事だ。」
草薙「ネットと融合するだと?」
クゼ「俺は半島での出来事で人生を達観した。矛盾した秩序、強者による搾取、腐敗した構造。だが俺を最もがっかりさせたのは人々の無責任さだった。自分では何も生み出す事無く何も理解していないのに、自分にとって都合の良い情報を見つけると一早くそれを取り込み踊らされてしまう集団。ネットと言うインフラを食いつぶす動機無き行為が、どんな無責任な結果をもたらそうとも何の責任も感じない者達。俺の革命とはそういった人間への復讐でもある。」
草薙「復讐?」
クゼ「俺は子供の頃から全身義体だった為に心と体の不一致を絶えず感じていた。出来る事なら不自由な体を捨て、ネットの海へ漕ぎ出したいと考えていた。そんな俺にアジア難民達は少なからず生きる希望を与えてくれた。彼等は俺の作り物の顔をとてもいい顔だと言い、ゴーストが顔に現れているのだと褒めてくれた。俺はその時初めて肉体と精神は不可分な存在なのではないかと実感し、自分も肉体を持つ人間なのだと思う事が出来た。だが、そんな彼等も一度口当たりの良い情報に出会うと、やはり都合の良い方向へと簡単に流れていってしまう。人間は元々低きに流れる様に出来ている物らしい。」
草薙「で、復讐をどう果たすつもりだ?」
クゼ「俺に結線している者の記憶とゴーストをネット上に運び去る。核が投下されればそれで彼等も肉体を喪失するが強制的な進化を遂げる可能性が手に入る。」
草薙「彼等がネット上で個を特定し続けられる可能性は?」
クゼ「それは分からない。だが先駆者として下部構造に残った人間に対し絶えず上部構造を意識させ、啓発していく存在にはなれるだろう。太古の昔人類が霊的な存在に対し尊敬や畏怖を感じてきた様にな。」
草薙「それがお前を落胆させた者達への復讐と救済か?」
クゼ「俺は革命と信じているがな。お前も見た所全身義体の様だな。なら肉体と精神の不一致と言う疑心暗鬼に悩まされた経験は少なくはあるまい。どうだ、俺と一緒に来るか?」
草薙「難民は、行くつもりなのか?」
クゼ「ああ。残念ながらな。彼等の多くは核による自爆テロと言うシナリオを実践する事の方を望んでいる。自分達は負けなかったと思い込みたいんだろう。それもまた低きに流れる行為だと言うのに・・・」
草薙「そうか。」
クゼ「お前も孤独を生き延びた人間らしいな。名は?聞いていなかったが、何と?」
草薙「忘れた。偽名はあるがな。それはお前も一緒だろ?」
クゼ「そうだな。いくつかの名を難民から貰った。俺は彼等を救うつもりで行動を共にしていたが、本当は孤独を埋めたくて一緒に居ただけなのかもしれん。」
草薙「だが、結局は埋まらなかった。頼られる事はあっても頼る事は出来なかった。」
クゼ「お前には、心を許せる誰かがいるか?」
草薙「いなくはない。」
クゼ「そうか。俺は、ずっと探している。」
サトウ「それは何かね?」
クゼ「鶴・・・だ・・・」
サトウ「鶴?ふーむ、にしてもよく効くな、このマイクロマシン。苦しまずに死ねるよ。君はとても興味深い人物だが、我々にとっては危険な因子だ。貴国にはコントロール出来ないカリスマ指導者は要らない。従順な消費者が居ればそれで良い。」
クゼ「先に・・・行くぞ・・・」

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